一、
浮いた浮いたと 浜町河岸に
浮かれ柳の はずかしや
人目しのんで 小舟を出せば
すねた夜風が 邪魔をする
(台詞)
巳之(みの) さん堪忍して下さい。
騙(だま)すつもりじゃなかったけど、
どうしてもあの人と別れられない
このお梅の気持ち、
騙したんじゃない、騙したんじゃない…。
ア、巳之さん、お前さん、何をするの、
危ない! 危ない! 堪忍して、か……
ア、巳之さん、巳之さん、
あたしは大変なことをしてしまった
二、
怨みますまい この世の事は
仕掛け花火に 似た命
もえて散る間に 舞台が変わる
まして女は なおさらに
三、
意地も人情も 浮世にゃ勝てぬ
みんなはかない 水の泡沫(あわ)
泣いちゃならぬと 言いつつ泣いて
月にくずれる 影法師
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